GCEの無料枠を活用して安価なVPNサーバを構築する②

今回はVMインスタンスの作成および設定について説明します。

VMインスタンスの作成

プロジェクト作成後、以下の画面で「作成」ボタンを押します。
今回のプロジェクト名はvpn-serverとしました。

名前とリージョンの設定

インスタンスの名前とリージョンを以下のように指定します。
無料枠内だと日本と距離が一番近いのはオレゴンリージョンらしいです。

  • 名前:vpn-server
  • リージョン:オレゴン(us-west1-b)

マシンタイプの設定

インスタンスのマシンタイプを指定します。

  • マシンタイプ:f1-micro

ブートディスクの設定

OSを指定します。
画像ではUbuntuを選択していますが、実際に構築したインスタンスではDebian 10(buster)を使用しています。(設定を間違えていたので何度か構築しなおしていたため)
30GBまでは無料枠の範囲内なので、ブートディスクのサイズを変更しておきます。

ネットワークの設定

「ネットワークインターフェース」のフォームで以下のように指定します。
下記以外はデフォルト設定のままです。

  • 外部IP:静的IPアドレス
  • IP転送:オン

ネットワークインターフェース欄の表示方法

  1. 「管理、セキュリティ、ディスク、ネットワーキング、単一テナンシー」リンクを押します。
  2. 「ネットワーキング」タブを選択し、ネットワークインターフェースの鉛筆アイコンを押して編集します。

外部静的IPアドレスの設定方法

  1. 「外部IP」には「IPアドレスを作成」を選択します。
  2. 「新しい静的IPアドレスの予約」画面で自動的に割り振られる静的IPアドレスに対し、論理名を設定します。
    • 名前は任意ですが、インスタンス名と同じくvpn-serverとしておきました。

その他設定

  • 「HTTPトラフィックを許可する」「HTTPSトラフィックを許可する」にチェックを入れます。
  • 「管理、セキュリティ、ディスク、ネットワーキング、単一テナンシー」→「ネットワーキング」にある「ネットワークタグ」にターゲットタグを指定します。
    • ターゲットタグとはVMインスタンスとファイアウォールの設定(後述参照)を紐づけるための名前です。
    • 任意の名前を指定します。今回はvpnと設定しました。

「作成」ボタンを押して数秒待つと、「VMインスタンス」画面に作成したインスタンスが表示されます。

SoftEther VPNの動作に必要なポート設定

SoftEther VPNで使用するポート

クライアントからL2TP/IPsecで接続したい場合、以下のポートを開けておく必要があります。

  • TCP 443
  • TCP 5555
  • UDP 500
  • UDP 4500

情報源を下記に転記しておきます。
3.3 VPN Server 管理 - SoftEther VPN プロジェクト

VPN Server への接続の際の TCP/IP ポート番号としては、特に支障のない限り「5555」番を使用し、Web などの一部のプロトコルしか通さないようなファイアウォールやプロキシサーバーがある場合は「443」番を使用することを推奨しています。

仕様 - SoftEther VPN プロジェクト

TCP ポート: 443, 992 および 5555 (初期設定)

仕様 - SoftEther VPN プロジェクト

使用するポート: UDP 500 と UDP 4500

「ファイアウォールルールの作成」画面での設定内容

下記の項目について、以下のように設定します。

  • 名前:default-allow-vpn
    • 任意の名前を設定します。
  • ターゲットタグ:vpn
    • VMインスタンスで設定したネットワークタグと同じ名前を指定します。
  • プロトコルとポート
    • 指定したプロトコルとポート
      • tcp: 443, 5555
      • udp: 500, 4500


「ファイアウォールルールの作成」画面を開く方法

  1. 「VMインスタンス」画面で、作成したインスタンス名のリンクを押します。

  2. 「VMインスタンスの詳細」画面で、「詳細を表示」ボタンを押します。

  3. サイドメニューから「ファイアウォール」を選択します。

  4. 「ファイアウォール」画面で「ファイアウォールルールを作成」ボタンを押します。

これでVMインスタンスの用意が完了しました。
次回の記事でSoftEther VPN Serverのインストールを行います。

参考